執筆 更新 6分で読めます

HEIC が開けないときの対処法 — Windows で iPhone の写真を見る・JPEG にする

iPhone の写真(.heic)が Windows で開けない原因は、Windows に HEIC のデコーダが入っていないことです。ブラウザで JPEG に変換する、Windows に拡張機能を入れる、iPhone 側で JPEG にする、の3つの道を比べます。

HEIC を今すぐ JPG にする

写真を選ぶだけで JPG(または PNG)に変換します。複数枚まとめて変換し、ZIP で受け取れます。

HEIC 変換ツールを開く

変換はお使いのパソコンの中で行われ、写真はどこにも送信されません。

iPhone で撮った写真を Windows のパソコンに送ったら、拡張子が .heic で、ダブルクリックしても「このファイルを開くには新しいアプリが必要です」と出る。フォトアプリでは真っ黒、エクスプローラーのサムネイルも出ない。これは写真が壊れているのではなく、Windows に HEIC を読むための部品(デコーダ)が最初から入っていないのが原因です。

対処は3つあります。どれも数分で済みますが、向き不向きが違うので、先に全体像を示してから1つずつ説明します。

HEIC が開けないときの3つの道を並べた図。1 ブラウザで JPEG に変換する、2 Windows に拡張機能を入れる、3 iPhone の設定で最初から JPEG にする。それぞれの向き不向きを添えている。
図 いま手元にある写真を開きたいなら 1、この先ずっと HEIC を扱うなら 2、そもそも HEIC を作らせたくないなら 3。

なぜ Windows で HEIC が開けないのか

HEIC は、iPhone が 2017 年(iOS 11)から標準にしている写真形式です。JPEG の半分ほどの容量で同じ画質を保てる代わりに、中身の圧縮方式(HEVC)に特許使用料がかかります。Microsoft はこの部品を Windows に同梱せず、Microsoft Store の「拡張機能」として別配布にしました。だから素の Windows 10 / 11 には HEIC を読む機能が無く、フォトアプリもエクスプローラーも表示できません。

Mac や iPhone で普通に見られるのは、Apple が OS に最初から組み込んでいるからです。同じファイルでも環境によって「開ける・開けない」が分かれるのはそのためで、ファイル自体に問題はありません。

方法1:ブラウザで JPEG に変換する

いま手元にある .heic を開きたいだけなら、これが一番早い方法です。Windows に何も入れずに済み、できあがった JPEG はどのソフトでも開けます。

  1. HEIC → JPEG 変換ツールを開きます。
  2. .heic ファイルをドロップします。複数枚まとめて入れられます。
  3. 出力形式(JPG か PNG)と、JPG の場合は画質を選びます。既定の 90 で、見た目の差はほぼ分かりません。
  4. 1枚ずつ、または ZIP でまとめてダウンロードします。

変換はブラウザに同梱したデコーダ(WebAssembly)がお使いのパソコンの中で行います。写真がサーバーに送られることはないので、家族の写真や仕事の現場写真をそのまま入れて構いません。変換ツールの多くは「アップロードして変換」の方式で、アップロードした写真の扱いは各サービスの規約次第です。

注意点は1つだけで、JPEG に変換すると HEIC より容量が増えます(およそ 1.5〜2 倍)。保管が目的で開く必要が無いなら、HEIC のまま置いておく方が場所を取りません。

方法2:Windows に拡張機能を入れる

この先も iPhone の写真を Windows で頻繁に扱うなら、Windows 自体に HEIC を読ませる方が楽です。必要なのは Microsoft Store の2つの拡張機能で、両方入れて初めて写真が表示されます。

  • HEIF 画像表示オプション(無料。日本のストアでの表示名)— HEIC という「入れ物」を読むための部品。
  • HEVC ビデオ拡張機能(有料・日本のストアで ¥120、米ストアで $0.99)— 中身の画像データを解凍する部品。名前は「ビデオ」ですが、HEIC の静止画にもこれが要ります。

入れ終わると、フォトアプリで .heic が開き、エクスプローラーにもサムネイルが出るようになります。Windows 10 は バージョン 1809 以降が対象です。なお、以前は「デバイス製造元から」という名前の無料版 HEVC 拡張機能が Store にありましたが、現在は見つからないことが多いようです。数百円を払いたくない場合は方法1か方法3で十分です。

拡張機能を入れても、古い画像編集ソフトや業務システムのアップロード欄が HEIC を受け付けないことは変わりません。そういう場面では結局 JPEG に変換することになります。

方法3:iPhone 側で JPEG にする

Windows に写真を渡すことが分かっているなら、iPhone 側で最初から JPEG にしておく手もあります。設定は2箇所あり、目的が違います。

撮影時から JPEG にする

「設定」→「カメラ」→「フォーマット」で「互換性優先」を選ぶと、以後の写真は JPEG、動画は H.264 で保存されます。容量は増えますが、どこに送っても開けます。すでに撮った写真は変わりません。

パソコンに転送するときだけ JPEG にする

「設定」→「写真」→一番下の「Mac または PC に転送」で「自動」を選ぶと(iOS 18 以降で一覧に「写真」が無い場合は「アプリ」の中)、ケーブル接続で写真を取り込むときに iPhone が JPEG に変換して渡します。撮影は HEIC のまま(容量を節約したまま)にできるので、普段はこちらの方が使い勝手がよいはずです。ただし AirDrop やクラウド経由の転送には効きません。

メールや LINE で送る場合は、多くのアプリが送信時に JPEG へ変換してくれます。「相手が開けない」と言われるのは、ケーブルや iCloud、Google ドライブ経由で元ファイルのまま渡したときです。

それでも開けないときの別の原因

  • 拡張子は .heic だが中身が別形式。Android の一部機種や、名前だけ変えたファイルでは、実体が JPEG や別の形式のことがあります。変換ツールで「HEIC ではありません」と出たら、ファイル形式の判定ツールで先頭のバイト列から本当の形式を確認してください。
  • iCloud から実体をダウンロードしていない。iPhone の「iPhone のストレージを最適化」が有効だと、端末にはサムネイルしか残っておらず、転送したファイルが数 KB しかないことがあります。iPhone で写真を一度開いてからもう一度転送してください。
  • Live Photos の動画部分を見たい。HEIC には静止画しか入っておらず、動画は別の .mov です。変換ツールで取り出せるのは静止画だけです。
  • 転送が途中で切れている。ファイルサイズが 0 バイトや極端に小さい場合は、もう一度コピーし直してください。

どれを選ぶか

状況 向いている方法 理由
今すぐこの写真を開きたい・人に送りたい 方法1(ブラウザで変換) 何も入れずに済み、JPEG はどこでも開ける
この先も自分の PC で HEIC を見続ける 方法2(拡張機能) 一度入れれば以後は普通に開く
会社の PC でソフトを入れられない 方法1 ブラウザだけで完結し、写真も外に出ない
これから撮る写真を Windows で使う 方法3(iPhone 側の設定) 転送のたびに変換しなくてよくなる

まとめ

  • HEIC が開けないのは Windows にデコーダが無いから。写真は壊れていない。
  • いま開きたいならブラウザで JPEG に変換。インストール不要で、写真は外に送られない。
  • ずっと使うなら Store の「HEIF 画像表示オプション」と「HEVC ビデオ拡張機能」を入れる(後者は ¥120)。
  • これから撮る分は iPhone の「互換性優先」か「Mac または PC に転送 → 自動」で JPEG にできる。

よくある質問

「HEIF 画像拡張機能」が有料と表示されます。
Microsoft ストアの「HEIF 画像表示オプション」は無料ですが、再生に必要な「HEVC ビデオ拡張機能」は有料です(日本のストアで ¥120、米ストアで $0.99。価格は改定されるので、ストアの表示も見てください)。PC メーカーによってはあらかじめ入っていることもあります。買いたくない場合は、変換してしまうほうが早くて確実です。
JPEG に変換すると画質は落ちますか?
厳密には落ちます。HEIC も JPEG も非可逆圧縮なので、変換は再圧縮になります。ただし品質を 90% 前後にしておけば、画面や印刷で違いが分かることはまずありません。元の HEIC を消さずに残しておけば、あとから別の品質でやり直せます。
写真が何百枚もあります。
このサイトのツールは複数ファイルを一度に受け付け、まとめて ZIP で保存できます。数千枚を定期的に扱うなら、iPhone 側の設定を「互換性優先」に変えて、そもそも JPEG で撮るようにするほうが手間が減ります。
Live Photos はどうなりますか?
静止画の部分だけが変換されます。動きの部分は別ファイル(.mov)として保存されているため、HEIC の中には入っていません。動きも残したい場合は iPhone から直接書き出してください。

この記事を書いた人

Ren

OpenedFile 開発者

OpenedFile を一人で作って運用しています。きっかけは、届いたメールの winmail.dat がどうやっても開けなかったこと。見つかるオンライン変換サービスはどれも「まずファイルをサーバーにアップロードしてください」というものばかりでした。それなら自分で書こうとTNEF パーサをフルスクラッチで実装し、以来このサイトのツールはすべてブラウザ内で完結しています。

OpenedFile について

この記事をシェア